RKCアーカイブ

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2021.09.01(水)放送

「今から50年前(昭和46年・1971)の高知」

9月1日は、例年ですと、県内各地で金婚式の式典がおこなわれます。今年は、新型コロナウイルスの影響で式典は中止となってしまいましたが、今年、結婚50年を迎えたご夫婦にとっては、記念の時となります。

そこで、RKCアーカイブでは、「50年前の高知」をテーマに、今年、金婚式を迎えた方が結婚された年、昭和46年、1971年の県内の出来事や様子をまとめました。


・「室戸に鯨」 【写真1枚目】  
2月、室戸市椎名の大敷網に、体長10m、重さも10トンはあろうかという大物のセミクジラが入り込みました。高知市などからも続々と見物人が押し寄せましたが、翌日には、クジラは網から逃走し、ゆうゆうと泳ぎ去っていきました。


・「第13回お城まつり」 【写真2枚目】  
4月、恒例の「お城まつり」が開かれました。この年から始まったのは、当時の県知事や高知市長などが歴史上の人物に扮した「仮装パレード」。天気にも恵まれ、約30万人が集まりました。


・「どろんこ祭り」
こちらも、春の恒例のお祭り。高知市長浜の「どろんこ祭り」。でも、この頃、男性の顔に塗っていたのは、「どろ」ではなく、洗剤メーカーから提供された白いクリーム。塗られた男性の顔は、黒ではなく、白くなっていました。


・「高知駅 新築落成」
4月1日に、新しく完成したのは、高知駅。それまでの木造の駅舎から、近代的でモダンな駅舎に様変わり、観光高知の表玄関にふさわしい「国鉄・高知駅」が誕生しました。


・「足摺 国立公園に昇格」
この年、観光客で大変賑わったのが、足摺。国立公園への昇格が決まりました。


・「足摺 海中展望塔」 【写真3枚目】
さらに、この時、準備が進んでいたのは、当時、世界最大ともいわれた海中展望搭です。兵庫県の工場で建設されたあと、クレーン船で3日かけて足摺に運ばれ、観光の目玉が設置されました。



明るい話題もありましたが、その一方で、大きな問題となっていたのは、「公害」です。


・「江の口川の50年(生コン事件)」

高知市の江ノ口川は、上流にあるパルプ工場の廃液で、汚染は年々ひどくなり、「死の川」と呼ばれていました。多くの市民が立ち上がりましたが、県、市、パルプ工場との交渉は難航。ついに、市民団体のメンバーが、実力行使に出ました。

昭和46年6月9日早朝、汚染源のパルプ工場の排水管に、4人の市民が生コンクリートを流し込み、工場は、操業を停止せざるをえなくなりました。

これが、いわゆる「生コン事件」です。

この事件をきっかけに、パルプ工場は、翌年5月に廃業。事件の後、江ノ口川は、再生へと歩み始めました


・「鏡川の50年」

一方、高知市の鏡川も、都市化に伴う水質汚染で、かつての清流は大きく様変わりしていて、この頃から、鏡川の清流を取り戻そうという動きが始まりました。

50年前に始まった「鏡川まつりは、「美しい鏡川を取り戻そう」というキャンペーンでスタート。同じ年、住民1万人が参加して大規模な鏡川の一斉清掃が始まり、そのあとも、川と親しむイベントがおこなわれました。

そして、活動開始から50年後の今年、鏡川などの高知の川は高く評価され、高知は、全国的な注目を集めるアニメーション映画「竜とそばかすの姫」の舞台のモデルにもなりました。

「平成の名水百選」にも選ばれた鏡川。この50年は、鏡川にとっても、市民とともに大きく前進した時間でした。



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