番組審議会

第685回番組審議会

委員によるレポート提出(社側回答あり)

新型コロナウィルス感染拡大防止のため、臨時的措置として合評形より変更

委員の氏名

委員総数      7名
レポート提出委員  7名

 委員の氏名
  委員長  海老塚和秀
  副委員長 清原 泰冶
  委 員  渡部 淳
       森沢 孝道 
       又川 晃世
       布  多恵
       亥角 理絵 
社側回答   
報道制作局長 竹島章記

合評対象

*高知放送制作テレビ番組
 「高知龍馬マラソン2020
   チームなせばナル~6/10000の挑戦~」
  放送日時 3月8日(日)17:00~17:30

概要

◇番組への意見・感想等(提出レポートを要約)

*「高知龍馬マラソン」を生中継で放送していたとはいえ、番組冒頭にはコースや特徴、完走率等の全体像の紹介があるべき。冒頭、「チーム」とは言うものの参加者同士がコミュニケーションを図る場面が乏しく、チームの一体感・連帯感が伝わって来なかった。参加者の中で普段の姿等が紹介されたのは2人だけ。時間の都合もあると思うが、どんな人でどのような思いを持ってマラソンに挑戦したのか、各人を掘り下げて紹介すれば、番組に深みが出たのではないか。

*大変爽やかな番組だった。ランナー目線から見える沿道の応援の人の風景がわかったし、迫力も伝わって来た。「走ってみなければ分からないこと」を伝えることは、スポーツ報道として必要なことと思う。もう少し触れて欲しかったのは事前の練習。練習シーンは少しだけで、感動を呼ぶには不十分。人前には出さない練習風景を少しだけ覗くことで、レース当日の感動は増幅される。そういう理由で、練習風景をもっと入れた方が良かったと思う。

*今回の番組は、マラソン参加経験者の高橋アナウンサーが走者として参加した事によって、放送局と視聴者の距離が縮まり効果的だった。「1万人の6」という言葉も、番組のイメージを伝える物として適切だった。チームが走っている場面に集中し過ぎた感じで、大会全体の雰囲気が分り難かった。

*肯定的な評価をしたいところだが、今回は新型コロナウイルスとの関係が気になった。放送日は、コロナウイルス禍がいよいよ世界中の問題となっていた。こんな時、体が触れあうような距離で走りランナーが声を掛け合う場面を、視聴者は楽しく見られるだろうか。大会を盛り上げるとともに他のローカル番組づくりに寄与する、という意気込みは評価できるが、善意に満ちた企画であっても刻々に変化する情勢に的確に対応する姿勢は欠かせない。

*良質なドキュメンタリー番組だった。挑戦モノは時に演出が過剰になって興醒めすることがあるが、「仲間で助け合い、ゴールを目指すことの意味」を伝えることに徹し、抑制が効いていた。5人それぞれのドラマや人間模様を見届けたことで、出場選手の数だけドラマがあるということを改めて実感した。画面のテロップが誰の言葉がひと目で識別できるよう、色を変えて表示するという工夫と、視聴者への配慮が光っていた。

*全体的には、清々しさを感じられるいい番組だった。何よりも「高橋アナの立場の見せ方」が絶妙だったように思う。リーダーとして引っ張っていきながらも、出過ぎず引き過ぎずのバランスが良かった。チームの成り立ちや背景と、高橋アナの本心をもう少し知りたかった。どういう基準で決めたのか。高橋アナのチームに寄せる思い。始める前と後の気持ちの変化等、本音の声をいれたら番組が引き締まったように思う。

*「チーム」と銘打っているのにメンバー同士のやりとりが殆ど見えず、最後まで苦労をともにした絆のようなものが見えてこなかった。ストーリーを紡いでいくためには、やはり30分という枠では短かったと思う。テーマは「なせば成る」だと思うが、その印象がどこにも残らなかったがとても残念。来年に期待したい。

次回番組審議会予定

※新型コロナウイルス感染拡大防止対策の為、合評形式からレポート形式に変更

議題:高知放送のテレビ・ラジオ番組への要望等